明治憲法の『憲法大綱』に与えた影響について
要旨： 1889年の明治憲法は、日本が西洋の憲政を学んだ経験のなかで、政体改革に力を注いだものとして、日本の政治制度の発展に良い作用を発揮しただけでなく、近代中国の憲法制定にも一定程度の影響を及ぼしたのである。明治憲法と憲法大綱についての研究はもうおおくあるが、両者比較を中心にする研究はまだ十分とは言えない。そこで、本稿では憲法大綱の制定過程、明治憲法と憲法大綱の共通点と相違点などを分析し、明治憲法の『憲法大綱』に与えた影響を明らかにしたい。
キーワード：明治憲法； 欽定憲法大綱；影響；憲政
中国と日本とは一衣帯水の隣国であり、日本の明治維新の成果は当時の中国つまり清に伝わり、清政府に深い影響を与えた。日本が日露戦争中の成功は清政府に大きい刺激を与えた。日本は立憲君主制の小国で、専制の大国であったロシアを打ち負かした。清政府は「日俄之胜负，立宪专制之胜负也」と述べていた。
当時清政府は封建制で、鎖国であった。清政府は義和団乱と八国列強の侵略の後、「庚子後新政」を実施し始めた。「新政運動」の深入に連れて、新政派の内部に分化が出きた。一部分の人は明確的に立憲派の主張に賛成し、また立憲派の主張に同情した。これらの人たちは「立憲派」と呼ばれた。他の部分の人は改革と新政の実施に賛成する一方で、「立憲」には全然反対の立場に立った。これらの人たちは「反憲派」と呼ばれた。
１９０５年に立憲派の発展に連れて、考察大臣を中心としている親憲派は予備立憲の過程で非常に重要な役割を果たしていた。
１９０５年末、五大臣は日本に到着し、日本の立憲政治をめぐって、一連の考察を行ったあと、朝廷に上書した。日本の立憲政治を賞賛した。日本に実施された憲法は欧州憲政の結晶で、最も緻密であったと考えられていた。
１９０６年７月、考察大臣載澤は上書し、立憲を提出した。載澤は東西各国の富強は「莫不以宪法为纲要」，中国の新政は「卒未能卓有成效者，则以制治之未得其要也」，自強に達したために、立憲を実行しなければならないと提案し、載澤は政府に「明发谕旨，布告立宪」、考察政治館に「博采各国宪法拟定草案，广兴教育，整理财政，实行地方自治，以为立宪预备」と提案した。
１９０８年８月２７日、清政府は『欽定憲法大綱』を公布した。これは中国歴史上の最初の憲法性書類だと言われている。
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